体育座りは腰痛になりやすい座り方No.1
前回は腰痛は寝方で予防!腰に良いのは仰向け・うつ伏せ・横向き?についてお話しましたが、今回は体育座りと腰痛の関係についてお話したいと思います。
体育座りとはどんな座り方?
体育座りはお馴染みの姿勢かと思うのですが、長座(両足を前に伸ばした座り方)の姿勢から両膝を三角に立てて抱えた座り方になります。
地域によって呼び名が違うこともありますが、『お山座り』『三角座り』『体操座り』と言われることもあります。
体育座りが腰痛の原因になる理由
腰部分の背骨は5つの腰椎(ようつい)が縦に積み重なった構造をしていて、腰椎と腰椎の間には椎間板と呼ばれるゼリー状の軟骨が、衝撃吸収をするクッションの役割として挟まっています。
腰部分の背骨は、お腹が出っ張る方向に反りを持っています。この姿勢が保たれていれば、腰の筋肉や椎間板への負担は少なくなります。
体育座りの姿勢は腰部分の背骨が猫背になりますし、両手で膝を抱え込むように座れば背骨全体が猫背になってしまいます。
腰部分の背骨は反りがあることで筋肉や椎間板への負担が少なくなるため、反りと逆方向である猫背に曲がってしまうと、腰痛の大きな原因になります。
ただでさえ腰痛を引き起こしやすい猫背の姿勢を、さらにパワーアップさせた座り方が体育座りになるので、肩こりや腰痛を考えるとできる限り避けたい姿勢になります。
椅子の上で体育座り
腰痛の治療で来院される方で、「椅子の上でよく体育座りをする」という方が時々いらっしゃいます。
体育座りは膝を両手で抱えるので体が安定するせいか、私の治療経験上では、運動をしない筋力の弱い女性が大半でした。
『体育座りは腰痛の原因ですよ』と説明しても、「体育座りは楽なんでやめられません」と返す人が多いため、腰痛の治療にわざわざ通っているのに自分で腰痛の原因を減らそうとしないのはもったいないな、といつも思ってしまいます。
体育座りになりやす理由と改善方法
体育座りや三角座りを好む人は、背骨沿いの背筋が弱かったり、子供の頃から姿勢が悪く猫背ぎみだったり、横向きで極端に丸くなって猫のように寝る方に多く見られます。
その場合は、背筋を伸ばして歩くことや、椅子に深く座って(背もたれを使って)猫背に気を付けること、軽い筋トレで背筋を強化すること、寝方を気を付けることなどが大切です。
また、胃や大腸、子宮などが悪いと『体を丸める姿勢が楽』なため、自然と体育座りが落ち着く方もいます。もし内臓の不調に思い当たる節があれば、病院で診察を受けてください。
少数ですが、体育座りは深層心理(愛情不足や過度なマイナス思考など)が関係することもあるため、家庭環境や精神面を見直したり、時には心療内科の治療を検討する必要も出てきます。