股関節が原因の坐骨神経痛の症状を徹底的に解説します
こちらでは、仰向けが腰痛を引き起こす7つの原因と改善法の、5つ目の原因である『神経痛型』についてお話しています。
坐骨神経痛の症状の出方
坐骨神経痛に関しては、ヘルニアや脊柱管狭窄症による根性(こんせい)坐骨神経痛と、それ以外の坐骨神経痛がありますが、こちらでは後者について説明します。
坐骨神経とは、脳から出た脊髄神経が背骨の中を腰まで通り、腰からお尻を通り足先まで枝分かれした人間で最も大きい神経を指します。
そのため坐骨神経が何かしらの原因で圧迫されると、腰痛やお尻~足先までの痛みや痺れ、足の筋肉の運動麻痺(軽度~重度)などの広い範囲で障害が起こります。
お尻や太ももの後ろだけが痛い場合や、ふくらはぎやスネ、くるぶしや足の裏まで痛みや痺れが出る場合もあります。
坐骨神経痛は痛みの強さが人それぞれ
坐骨神経痛は症状の強さがまちまちで、 椎間板ヘルニアとの見分け方も難しいため、整体の治療でもその場ですぐ改善するものもあれば、期間が長くかかる物もあります。
そのため、坐骨神経痛と一言でまとめることは難しく、仰向けで寝たとき以外は『腰や足に痛みが出ない場合』もありますし、横向きの寝方になった瞬間に激痛が走る症状もあります。
坐骨神経痛が筋肉の原因で出る場合
坐骨神経を圧迫する原因は、椎間板が関係する症状を除くと、筋肉のコリ(硬さ)や骨格の歪みが多いと考えられます。
筋肉が原因で症状が起こる場合は、腰やお尻の筋肉が硬くなって坐骨神経の通り道を塞いでしまうのが代表的です。
また、太ももの筋肉もお尻につく物が多いため、それらの筋肉が硬くなることでも坐骨神経の通り道を塞ぐことがあり、同じように症状を引き起こす原因になります。
さらに、トリガーポイントと呼ばれる筋肉の固まりが原因で、坐骨神経痛に似た症状を出す場合もあります。
坐骨神経痛が骨格の歪みで出る場合
関節(骨と骨の連結部分)が原因となって坐骨神経痛の症状が出る場合は、背骨・骨盤・股関節の歪みが主に考えられます。
具体的には、骨盤の仙腸(せんちょう)関節や、骨盤と大腿骨(だいたいこつ=太ももの骨)の連結部分である股関節が原因となる場合が多く見られます。
特に股関節の場合はやっかいで、変形性股関節症という骨の変形が関係する場合があります。
坐骨神経は股関節の後ろ(背中側)を通っているため、股関節が変形を起こすと、圧迫を受けて神経痛を起こしやすくなります。
また、股関節は骨盤と連結する関節のため、股関節が変形すると骨盤の歪みを作り、仙腸関節が原因となる坐骨神経痛につながる場合もあります。
さらに、骨盤が歪めば背骨も一緒にズレてしまうため、股関節の変形が大元の原因となり、椎間板ヘルニアによる坐骨神経痛など、複雑な症状が出る場合もあります。
股関節の歪みで出る坐骨神経痛
女の子座りは『あぐらが苦手になる骨格』を作る座り方になるため、女の子座りを子供の頃によくしていると、あぐらで股関節が開きにくく(苦手に)なります。
その理由は、あぐらは『左右の膝が遠い姿勢(がに股)』に対して、女の子座りは『左右の膝が近い(内股)』になるため、真逆の姿勢で骨格が固まってしまうためです。
また、お姉さん座りを子供の頃によくしていた場合は、あぐらの際に片足は開く(あぐらをしやすい)けど、もう片足は苦手と、左右差が出やすくなります。
それは、体の外に出た足側が内股になり、それが習慣化して股関節がそのような形で固まってしまい、片足だけ『がに股姿勢をとる"あぐら"』が苦手になるためです。
子供の頃に女の子座りやお姉さん座りをしていて、骨格が歪んでしまうと、筋肉のバランスも変わってしまうため、一般的な骨格の方よりも坐骨神経痛が出やすくなります。
このような場合は、股関節や腰痛を得意とする治療院で施術を受けるのも1つですが、悪い座り方が習慣化していたら、それを直さなければ痛みも繰り返しやすくなります。
股関節の変形で出る坐骨神経痛
股関節の変形が考えられる場合は、歩いている時に股関節がガクッと外れそうになったり、あぐらなど何かしらの動作で痛みが出るようになります。
股関節の変形があると、股関節や大腿骨(太ももの骨)の位置が少しズレてしまうので、それが坐骨神経を圧迫して痛みを引き起こすケースがよく見られます。
変形があったとしても、軽い症状であれば、股関節の治療が得意な整体院などで痛みも取れますが、変形が強ければ手術が必要になる場合もあります。
股関節の変形に関しては、整形外科でレントゲンを撮ればすぐに分かりますので、不安があれば受診するようにしてください。
坐骨神経痛の原因の『原因』
背骨や骨盤が原因の坐骨神経痛に関しては、大元の原因は『筋肉のコリや筋膜(筋肉を包む膜)の異常』が主になります。
筋肉のコリなどを引き起こす原因は、『腰猫背』や『反り腰』、『体のねじれ』や『ストレス』などが主に考えられます。
体のねじれは、足を組んだり、立っている時に片足に体重を掛けるなど、左右対称の姿勢が習慣になることで起こります。
ストレスも筋肉を硬くする原因のため、睡眠不足や精神不安など、過剰なストレスがある場合は発散する時間を設けるなど対策が必要です。
坐骨神経痛の改善法
椎間板ヘルニアとは関係しない坐骨神経痛は、腰から太ももの筋肉のコリや、股関節や骨盤の歪みなどが原因になります。
筋肉の軽い症状であれば、お風呂で芯から温めたり、ストレッチなどで筋肉をゆるめたりすることで改善するケースも多く見られます。
ただ、足を引きずるような麻痺であったり、お尻から足先まで激痛が走るような症状は、整形外科やペインクリニック(麻酔専門医)で痛みをコントロールしながら、自然治癒力(時間の経過による治癒)に頼る必要も出てきます。
もし信頼の置ける腰痛を専門の治療院がありましたら、そちらに相談するのも1つの選択肢(改善方法)になります。
内臓の病気が関係しそうな場合
仰向けでも腰が痛い、横向きの寝方になっても腰痛に変化がない場合は、神経痛型と内臓疾患型があるとお話しました。
次のページでは、内臓疾患が関係して腰痛が出るケースについてお話したいと思います。